第2部入院料等-通則

1 健康保険法第63条第1項第5号及び高齢者医療確保法第64条第1項第5号による入院及び看護の費用は、第1節から第4節までの各区分の所定点数により算定する。この場合において、特に規定する場合を除き、通常必要とされる療養環境の提供、看護及び医学的管理に要する費用は、第1節、第3節又は第4節の各区分の所定点数に含まれるものとする。

2 同一の保険医療機関において、同一の患者につき、第1節の各区分に掲げる入院基本料(特別入院基本料を含む。)、第3節の各区分に掲げる特定入院料及び第4節の各区分に掲げる短期滞在手術基本料を同一の日に算定することはできない。

3 別に厚生労働大臣が定める患者の場合には、特別入院基本料又は区分番号A307に掲げる小児入院医療管理料を算定する場合を除き、入院日から起算して5日までの間は、区分番号A400の3に掲げる短期滞在手術基本料3を算定し、6日目以降は第1節の各区分に掲げる入院基本料(特別入院基本料を含む。)又は第3節の各区分に掲げる特定入院料のいずれかを算定する。

4 歯科診療及び歯科診療以外の診療を併せて行う保険医療機関にあっては、当該患者の主傷病に係る入院基本料(特別入院基本料を含む。)、特定入院料又は短期滞在手術基本料を算定する。

5 第1節から第4節までに規定する期間の計算は、特に規定する場合を除き、保険医療機関に入院した日から起算して計算する。ただし、保険医療機関を退院した後、同一の疾病又は負傷により、当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合には、急性増悪その他やむを得ない場合を除き、最初の保険医療機関に入院した日から起算して計算する。

6 別に厚生労働大臣が定める入院患者数の基準又は医師等の員数の基準に該当する保険医療機関の入院基本料については、別に厚生労働大臣が定めるところにより算定する。

7 入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制及び褥瘡対策について、別に厚生労働大臣が定める基準を満たす場合に限り、第1節(特別入院基本料を含む。)及び第3節の各区分に掲げる入院料の所定点数を算定する。


1 入院基本料、特定入院料及び短期滞在手術基本料は、基本的な入院医療の体制を評価するものであり、療養環境(寝具等を含む。)の提供、看護師等の確保及び医学的管理の確保等については、医療法の定めるところによる他、「病院、診療所等の業務委託について(平成5年2月15日指第14号)」等に従い、適切に実施するものとし、これに要する費用は、特に規定する場合を除き、入院基本料、特定入院料及び短期滞在手術基本料に含まれる。

2 1に規定する他、寝具等について次の基準のいずれかに該当しない場合には、入院基本料、特定入院料、短期滞在手術基本料は算定できない。
 (1) 患者の状態に応じて寝具類が随時利用できるよう用意されていること。なお、具備されるべき寝具は、敷布団(マットレスパッドを含む。)、掛布団(毛布、タオルケット、綿毛布を含む。)、シーツ類、枕、枕覆等である。
 (2) 寝具類が常時清潔な状態で確保されていること。シーツ類は、週1回以上の交換がなされていること。
 (3) 消毒は必要の都度行われていること。

3 入院期間の確認について(入院料の支払要件)
 (1) 保険医療機関の確認等
  ア 保険医療機関は、患者の入院に際し、患者又はその家族等に対して当該患者の過去3か月以内の入院の有無を確認すること。過去3か月以内に入院がある場合は、入院の理由を確認すること。同一傷病による入院である場合には前保険医療機関における入院期間、算定入院基本料等及び入院に係る傷病名を当該患者の前保険医療機関又は保険者に照会し、当該保険医療機関の入院初日に追加される選定療養に係る入院期間及び当該患者の入院が選定療養に該当するか否かを確認すること。
  イ 保険医療機関は、当該患者の退院に際しては、他保険医療機関からの当該患者の入院履歴に係る問い合わせに対し速やかに対応できるよう必要な体制を整えておくこと。円滑な運用のために別紙様式1又はこれに準ずる様式による文書を退院証明書として患者に渡すことが望ましい。
  ウ ア、イに定める確認等を怠っている場合は、院料は算定できないものであること。

 (2) 入院患者の申告等
 患者は、入院に際しては、保険医療機関からの求めに応じ、自己の入院履歴を申告すること。なお、虚偽の申告等を行った場合は、それにより発生する損失について、後日費用徴収が行われる可能性があるものである。

4 1日入院
眼科、耳鼻科等において手術を行い、同一の日に入院及び退院した場合、医師が入院の必要を認めて病室に入院させて入院医療が行われた場合にあっては、入院基本料又は特定入院料を算定できるが、単なる覚醒、休養等の目的で入院させた場合は、入院基本料又は特定入院料は算定しない。なお、短期滞在手術基本料については、第4節に規定するところによる。

5 入院中の患者の他医療機関ヘの受診
 (1) 入院中の患者が、当該入院の原因となった傷病以外の傷病に罹患し、入院している保険医療機関(以下本項において「入院医療機関」という。)以外での診療の必要が生じた場合は、他の保険医療機関(以下本項において「他医療機関」という。)へ転医又は対診を求めることを原則とする。

 (2) 入院医療機関において、特定入院料、療養病棟入院基本料又は有床診療所療養病床入院基本料(以下、通則において「特定入院料等」という。)を算定している患者について、当該特定入院料等に含まれる診療を他医療機関で行った場合には、当該他医療機関は当該費用を算定できない。

 (3) (2)にかかわらず、特定入院料等を算定する患者に対し眼科等の専門的な診療が必要となった場合(当該入院医療機関に当該診療に係る診療科がない場合に限る。)であって、当該患者に対し当該診療が行われた場合(当該診療に係る専門的な診療科を標榜する他医療機関(特別の関係にあるものを除く。)において、次に掲げる診療行為を含む診療行為が行われた場合に限る。)は、当該患者について算定する特定入院料等に含まれる診療が当該他医療機関において行われた診療に含まれる場合に限り、当該他医療機関において、
当該診療に係る費用を算定できることとする。ただし、短期滞在手術基本料2及び3、医学管理等、在宅医療、投薬、注射及びリハビリテーションに係る費用(当該専門的な診療科に特有な薬剤を用いた投薬又は注射に係る費用を除く。)は算定できない。
  ア 初・再診料
  イ 短期滞在手術基本料1
  ウ 検査
  エ 画像診断
  オ 精神科専門療法
  カ 処置
  キ 手術
  ク 麻酔
  ケ 放射線治療
  コ 病理診断

 (4) 他医療機関において(3)の規定により費用を算定することのできる診療を行わせる場合には、当該患者が入院している保険医療機関において、当該他医療機関に対し、当該診療に必要な診療情報(当該入院医療機関での算定入院料及び必要な診療科を含む。)を文書により提供する(これらに要する費用は患者の入院している保険医療機関が負担するものとする。)とともに、診療録にその写しを添付すること。この場合においては、当該他医療機関において診療が行われた日に係る特定入院料等は、当該特定入院料等の所定点数から当該特定入院料等の基本点数の70%を控除した点数により算定するものとする。この場合において、1点未満の端数があるときは、小数点以下第一位を四捨五入して計算するものとする。

 (5) 他医療機関において(3)のアからコまでに規定する診療を行った場合には、当該患者の入院している保険医療機関から提供される当該患者に係る診療情報に係る文書を診療録に添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に「当該患者の算定する特定入院料等」、「診療科」及び「○他(受診日数:○日)」と記載すること。

6 外泊期間中の入院料等
 (1) 入院患者の外泊期間中の入院料等については、入院基本料(療養病棟入院基本料を算定する療養病棟にあっては、外泊前日の入院基本料)の基本点数の15%又は特定入院料の15%を算定するが、精神及び行動の障害の患者について治療のために外泊を行わせる場合は更に15%を算定できる。ただし、入院基本料の基本点数又は特定入院料の30%を算定することができる期間は、連続して3日以内に限り、かつ月(同一暦月)6日以内に限る。
   外泊中の入院料等を算定する場合においては、その点数に1点未満の端数があるときは、小数点以下第一位を四捨五入して計算するものとする。
   なお、当該外泊期間は、7の入院期間に算入する。

 (2) 入院中の患者が在宅医療に備えて一時的に外泊するに際して、当該在宅医療に関する指導管理が行われた場合は、(1)に規定する点数に加えて、区分番号C100に掲げる退院前在宅療養指導管理料を、外泊初日に1回に限り算定できる。

7 入院期間の計算
 (1) 入院の日とは、入院患者の保険種別変更等の如何を問わず、当該保険医療機関に入院した日をいい、保険医療機関ごとに起算する。
   また、A傷病により入院中の患者がB傷病に罹り、B傷病についても入院の必要がある場合(例えば、結核で入院中の患者が虫垂炎で手術を受けた場合等)又はA傷病が退院できる程度に軽快した際に他の傷病に罹り入院の必要が生じた場合においても、入院期間はA傷病で入院した日を起算日とする。
 
 (2) (1)にかかわらず、保険医療機関を退院後、同一傷病により当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合の入院期間は、当該保険医療機関の初回入院日を起算日として計算する。
   ただし、次のいずれかに該当する場合は、新たな入院日を起算日とする。
   ア 1傷病により入院した患者が退院後、一旦治癒し若しくは治癒に近い状態までになり、その後再発して当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合
   イ 退院の日から起算して3月以上(悪性腫瘍又は「特定疾患治療研究事業について」(昭和48年4月17日衛発第242号)の別紙の第3に掲げる疾患に罹患している患者については1月以上)の期間、同一傷病について、いずれの保険医療機関に入院又は介護老人保健施設に入所(短期入所療養介護費を算定すべき入所を除く。)することなく経過した後に、当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合

 (3) 「特別の関係」とは、次に掲げる関係をいう。
   ア 当該保険医療機関等と他の保険医療機関等の関係が以下のいずれかに該当する場合に、当該保険医療機関等と当該他の保険医療機関等は特別の関係にあると認められる。
   (イ) 当該保険医療機関等の開設者が、当該他の保険医療機関等の開設者と同一の場合
   (ロ) 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者と同一の場合
   (ハ) 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者の親族等の場合
   (ニ) 当該保険医療機関等の理事・監事・評議員その他の役員等のうち、当該他の保険医療機関等の役員等の親族等の占める割合が10分の3を超える場合
   (ホ)  (イ)から(ニ)までに掲げる場合に準ずる場合(人事、資金等の関係を通じて、当該保険医療機関等が、当該他の保険医療機関等の経営方針に対して重要な影響を与えることができると認められる場合に限る。)
   イ 「保険医療機関等」とは、保険医療機関である病院若しくは診療所、介護老人保健施設又は指定訪問看護事業者をいう。
   ウ 「親族等」とは、親族関係を有する者及び以下に掲げる者をいう。  
   (イ) 事実上婚姻関係と同様の事情にある者
   (ロ) 使用人及び使用人以外の者で当該役員等から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの
   (ハ) (イ)又は(ロ)に掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの

8 病棟移動時の入院料
同一保険医療機関内の病棟(病室及び治療室を含む。)から病棟(病室及び治療室を含む。)に移動した日の入院料の算定については、移動先の病棟(病室及び治療室を含む。)の入院料(入院基本料又は特定入院料)を算定する。

9 退院時処方に係る薬剤料の取扱い
投薬に係る費用が包括されている入院基本料(療養病棟入院基本料等)又は特定入院料(特殊疾患病棟入院料等)を算定している患者に対して、退院時に退院後に在宅において使用するための薬剤(在宅医療に係る薬剤を除く。)を投与した場合は、当該薬剤に係る費用(薬剤料に限る。)は、算定できる。

10 定数超過入院に該当する保険医療機関、医療法に定める人員標準を著しく下回る保険医療機関の取扱いについては、「厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料の算定方法(平成18年厚生労働省告示第104号)」に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。

11 入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制及び褥瘡対策について、別に厚生労働大臣が定める基準に適合している場合に限り入院基本料(特別入院基本料及び後期高齢者特定入院基本料を含む。)、特定入院料又は短期滞在手術基本料3の算定を行うものであり、基準に適合していることを示す資料等を整備しておく必要がある。

12 救急患者として受け入れた患者が、処置室、手術室等において死亡した場合は、当該保険医療機関が救急医療を担う施設として確保することとされている専用病床(区分番号「A205」救急医療管理加算・乳幼児救急医療管理加算又は区分番号「A300」救命救急入院料を算定する病床に限る。)に入院したものとみなすものであること。

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